Neo Acoustic ZINE |muselection

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以下は2015年7月に発行し、50セットを完売させていただいた
ネオアコZINE『Neo Acoustic global 』『Neo Acoustic universal』内で
双方の「序説」として掲載されたものです。(avant-propos=序説。由来はフランス語)

ZINEを読んでいただくにあたり、ネオアコースティック】の真髄に
少しでも触れておいていただきたく記した、
【ネオアコ】の歴史を紐解き、
【ネオアコースティック】の魅力を伝えようとした「ネオアコ序説」となっています。
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Neo Acoustic
global / universal
avant-propos


1950年代に若者のための音楽として登場した【ロック】は、
1970年代半ばになると商業主義へと転換し体制的なものとなった。
その体制への反発の中から湧き出た新たな若者のための音楽【パンク】は、
現状への否定というイデオロギーを掲げたが、次第に否定のエネルギーが飽和し衰退。
代わって【ポストパンク】が1980年代前半に英国のインディーロックとして台頭した。
その【ポストパンク】から【ニューウェーヴ】と共に派生した音楽スタイルのひとつが
【ネオアコースティック (Neo Acoustic) 】である。
【ネオアコ】は1990年代に日本のFlipper’s Guitarが流通に寄与した単なる略称であり、
【ネオアコースティック】共々日本でしか通用しない和製英語の一種である。

そもそも【ロック】という存在自体が否定であり、
その【ロック】を否定したのが【パンク】だったということは、
【パンク】は否定の否定という二重否定以上の現象を生み出さなかったことになる。
そして【パンク】が必然的に有していた「否定的な要素を否定として表現する」ことの限界を
目の当たりにした【ポストパンク】は、否定を肯定する姿勢から誕生した。
中でも【ネオアコースティック】は、当たり前の肯定を大上段に構えることなく、
そこに知的でポップなフレイヴァーを振りかけて差し出すことにより、
ごく自然に反作用的な否定を生むことに成功した。
その否定はすぐさま有効に機能し、多くのリアリティーと共感を巻き起こした。

その手段は先鋭的/前衛的/革新的/喧騒的な【パンク】とは対極にある、
随分とシンプルでトラディッショナルな静かで涼しげな「アコースティック」。
従来のフォークロックと比較すると、出発点や新鮮な発想とアプローチが「新しい」ことから、
日本では【ネオアコースティック】~【ネオアコ】と呼ばれるようになったと言われている。

1980年代前半の英国で「アコースティック」の肯定性は否定性として大いに機能し、
「アコースティックであること」そのこと自体が否定として有効作用した。
ところが「アコースティック」はあくまでも反作用的/浄化作用的なモチベーションを
促進させるものとしての存在意義しか有さず、その役目を果たすと同時に収束した。
【ネオアコースティック】が傷みや哀愁を抱えているのは、歴史的にそして構造的に
否定から始めざるを得なかった、否定性を纏わざるを得なかったという残酷な宿命と、
それを何とか克服し超越しようと試みた哀しい過去に
由来しているということを忘れてはいけない。

超越を試みようと【ネオアコースティック】が携えた頑なな意志や真直ぐで純粋な精神、
そして超越途中に見えた新たな光景や決してぶれることのないその跳躍姿勢が、
あまりにも美しく崇高かつ孤高で、限りなくリアルだったため、30年以上経った現在でも
多くの人々の瞼の奥に残像となって焼き付いていて、おそらくは永遠に色褪せることがない。

すなわちそれが【ネオアコースティック】が有する
「エヴァーグリーン」という圧倒的な力であり、
情報や経験や物語といった生涯に渡るあらゆる脈絡の中でも
最も崇高で核心的な本質のようなものを直感的に掌握しようとする者達が、
その力に無意識に魅かれ導かれるのは、もはや運命であり、摂理であり、信念でもある。
そういった意味において【ネオアコースティック】と共に生きることは
一種のイデオロギーであり、現在では純然たるライフスタイルのひとつであると言える。

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なお、完売済のネオアコZINE『Neo Acoustic global 』『Neo Acoustic universal』は、
2016年7月に次回作『EVERYTHING REMINDS US OF SOMETHING FANTASTIC』の
発表を記念して、少数限定復刻をいたします。
ご用命は、メール【amuselection@gmail.com】、

あるいは、Twitterhttp://twitter.com/muselectionのDMにてお願いします。
限定発行のため品切れの際は何卒ご容赦ください。

http://livedoor.blogimg.jp/muselection-music/imgs/4/d/4de5b2fc.jpg

2015年7月20日(月・祝)11:00~19:30 さっぽろテレビ塔2F
Never Mind The Books 2015
で初出展した作品「ネオアコースティックZINE」2冊の概要です。
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写真:左
Neo Acoustic global
『世界は豊穣なネオアコースティックの記憶に充ちている』
(通称:グリアコ)【muse601】


●内容●
Rough Trade Records:The Smiths 他4作
Cherry Red Records:The Hepburns 他4作
Blanco y Negro Records/el:EBTG/Louis Philippe 他3作
Factory Records:The Wake 他4作
From Liverpool:The Pale Fountains 他4作
From Scotland:The Trash Can Sinatras 他10作
Scandinavian:Gangway 他4作
Japanese Domestic:Flipper's Guitar 他4作
Steely Dan Followers:Prefab Sprout 他4作   <計51作>

写真:右
Neo Acoustic universal
『ネオアコースティックは死んだ歴史の断片ではなく生きた詩だ』
(通称:ユニアコ)【muse602】


●内容●
Sophisticated:The Style Council 他4作
Felt:Apple Boutique 他4作
Producer John A. Rivers:Razorcuts 他4作
Ele-Aco:Two People 他4作
Neo Acoustic Evergreen:The Siddeleys 他22作
Not - Neo Acoustic:This Is Ivy League 他10作   <計54作>

<サイズ> B5 3枚/2つ折

<仕様> カラーホチキス中綴じ
     (手作業のため工業製品よりも不揃いです。ご了承下さい)

<色> 両面4cフルカラー

<使用紙> 空気を含んだ崇高な触感と緻密な再現性の両立を実現した
      新製品 airus(エアラス)

<備考>
・各掲載作品へのレビューは2012~13年にTwitterで展開した
 『366+134=500音選』を元に全105作を再構成
・1アーティスト=1作品の選評を掲載したネオアコZINE
・作品ジャケット/アーティスト名/作品タイトル/発表年/
 作品フォーマット/レコード会社/レコード番号/レビュー
 以上8項目が各作品ごとに掲載につき、
 これから入手される際に便利なディスクガイド的側面も
・『グリアコ』『ユニアコ』の2冊を1組とした限定50セットの発行
 (1冊ずつ単品でのお求めはご遠慮ください)
・各部にナンバリングシールが貼付(ナンバーは選択できません)
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■完売御礼

おかげさまで2015年9月16日をもちまして、50セットすべてが
ネオアコースティックファンの方のお手元に届きました。

本当にありがとうございました。
そして間に合わなかった方、ごめんなさい。

次作にすでに着手しており、今まで誰も目にしたことのない
壮大な企画をご用意しています。ご期待ください。

TwitterやFacebookで情報を随時発信しておりますので、
よろしければ、チェックしてみてください。
よろしくお願いいたします。

http://twitter.com/muselection
https://www.facebook.com/hiroyuki.m.miyata

2015/09/16 宮田ひろゆき


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